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トランプ躍進に膨大な資金を使って抵抗する米国ー後手に回るマスメディア

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不動産王ドナルド・トランプ氏の躍進が続いている。先日の「ミニ・スーパーチューズデー」では4勝し、2位クルーズ上院議員と差を広げた。一方、3位のルビオ上院議員は地元フロリダ州で敗れ撤退。このままいけば、トランプ氏が首位になるのはほぼ確実だろう(関連記事:ルビオ撤退表明、オハイオはケーシックが勝利)。

 

膨大な対トランプ広告費

こうした状況に対し、米国政治界は焦っている。

米国政治界にはPAC(政治行動委員会)という企業献金や個人献金を集め、支持候補者への支援、対立候補者へのCMなどを使ったネガティヴ・キャンペーンを行う団体がある。

そのPACが「トランプ大統領」の可能性が現実味を帯びてきた2月以降、急激に広告費を費やしている(トランプ氏が初めて勝利したのは2月9日のニューハンプシャー州)。

 

http://www.slate.com/blogs/the_slatest/2016/03/15/super_pac_spending_against_donald_trump_in_one_chart.html
http://www.slate.com/blogs/the_slatest/2016/03/15/super_pac_spending_against_donald_trump_in_one_chart.html

 

特に3月に入って以降の伸びは顕著で(3月1日がスーパー・チューズデー)、2500万ドル以上(約27億5000万円以上)が費やされている。

 

ソーシャルメディア時代のメディア戦略

しかし、費やした分の効果は見当たらない。TVがメインであった時代であれば、大きな効果が見込めたかもしれないが、ソーシャルメディア時代では個人の発言のほうが価値を持つ。トランプ氏がどれだけ計算しているのかはわからないが、ソーシャルメディアを巧みに使い、自らアジェンダセッティングすることに成功している。Twitterやfacebook等で過激な発言を行い、「炎上」、TVが後追いする形で討論会やインタビューで取り上げ、再び「炎上」するという流れが作られている。さらにマスメディアからの情報よりも本人の発言の信頼性のほうが高い。

メディア戦略では、批判であれ称賛であれ、目立つこと、つまり露出を増やすことが最重要の課題である。トランプ氏はこの課題を見事に解決している。

ケネディとニクソンが争った1960年大統領選で、見た媒体(ラジオorテレビ)によって投票先が異なったように(ケネディはイケメンだ)、メディアというのは選挙結果に大きな影響を与える。

2008年、オバマ大統領がネットを使い選挙期間中に1300万人から総額9500万ドルも集めたが、2016年の大統領選はソーシャルメディアが最大限に活用されている。トランプ氏が討論会を欠席しているのもソーシャルメディアがあるからだ。

皮肉なことに、トランプ氏は勝利している州でも他候補に比べお金を使っていない。

 

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http://www.vox.com/2016/3/16/11248380/2016-ad-spending-trump

 

日本のマスメディアが自民党のメディア戦略に対応できていないように、米国のマスメディアもトランプ氏のメディア戦略に対応できていないようだ。

 

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