ヨーロッパ 経済

【パナマ文書】アイスランド首相、辞任へ

Sigmundur Davíð Gunnlaugssonin Oct, 2014
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4日に一斉に報じられた「パナマ文書」だが、早速直接的に大きな影響を与えている。5日、アイスランドのグンロイグソン首相が辞任の意向を示した。

 

リーマンショック後に資産隠し

グンロイグソン首相は2007年にタックスヘイブン(租税回避地)であるイギリス領バージン諸島に妻と共に購入した会社「ウィントリス」を通じてアイスランドの大手3銀行に投資。国会議員に当選した2009年には会社を妻名義に切り替え、保有資産としてこれまで公表してこなかったことが明らかになっている。

これに対し、アイスランド国内ではすぐに数千人規模(アイスランドの人口は32万人)のデモが起こり国民は猛反発、野党は不信任決議案を提出していた。

この猛反発の背景には、アイスランドはリーマンショックの影響で国内の大手3銀行が倒産して国有化、国内は経済破綻状態となり、資本流出を防ぐために資本規制も強まっていたことが挙げられる。その中での首相(当時は国会議員)の非倫理的な行為に国民の不満がぶつけられた形だ。

今回ほかに明らかになっている現職指導者はロシアや中国、パキスタン、シリア、アルゼンチン、サウジアラビア、英国、アラブ首長国連邦、ウクライナと発展途上国や経済的に困難な国が多く、そうした中での資産隠し、脱税は国民の不満を避けることは難しそうだ。

中国では世界中でパナマ文書が報じられると検閲を開始、「パナマ」(中国語表記で「巴拿马」)をブロックしている。

 

また、オバマ米大統領は5日の記者会見で「国際的な租税回避が大問題であることは間違いない」と述べ、「世界中で常に資金の不正な流れがあるが、それを簡単にできるようにすべきでない」と規制強化する考えを示した。

 

パナマ文書とは

法人税や所得税がほぼゼロのタックスヘイブン(租税回避地)への法人設立を代行するパナマの法律事務所「モサック・フォンセカ」から過去40年分の内部文書が流出し、国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ)が公開。分量は2.6テラバイトで、2010年のWikileaksの時よりも約1テラバイトも多い。

今回約1150万点もの内部資料が明らかになったことにより、政治家など140人以上が脱税目的などでタックスヘイブンを使い、巨額の金融取引を行っていたことがわかっている。

オフショア企業が資金を保有すること自体は違法ではないが、政治家が脱税目的で所得や資産を隠していたのは倫理的に大きな問題で、今後大きな影響を与えることが予想される。

また、国民には増税や支出削減などの財政緊縮を行いながら、政治家や大企業が租税回避を行うのは問題があるとして、リーマンショック以降、世界的に批判、規制が強まっている。さらに、オフショア取引は匿名性が高く、マネーロンダリング(資金洗浄)に使われる場合も多い。

 

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