日本 経済

【4月7日の国会】TPP特別委での質疑答弁。法案の中身の議論はほとんど出ず。

スクリーンショット 2016-04-08 15.35.40
Pocket

5日に衆議院本会議で審議入りし、6日には野党の反発もあって予定よりおよそ5時間遅れで趣旨説明が行われた環太平洋パートナーシップ協定(TPP)の承認案と関連法案。7日のTPP特別委員会では、午前に与党から、午後に野党からの質疑が行われた。本記事では、午後の質疑の先陣を切り、野党の質疑の中でも最長の時間となった、民進党・玉木雄一郎議員の質疑とそれに対する答弁を中心に、特別委での議論を見ていく。

関連記事:

【4月5日の国会】TPP法案が審議入り。何が話された?

【4月6日の国会】TPP特別委にて趣旨説明。その中身とは?

 

与党は意義の再確認・野党は交渉過程の情報開示を要求

与党からは、改めてTPPの意義・メリットを尋ねる質疑が多く出た。安倍内閣総理大臣は答弁で、「世界の4割の経済圏を生み出し、GDP14兆円の押し上げ効果が持続する」「TPPは単なる貿易自由化の枠組みではないわけでありまして、基本的価値を共有する国々が、経済の絆を深め、その輪を広げていくという戦略的な意義も有していると思います。」などど改めて意義を強調した。

野党からは、民進党の5名の議員が質疑の場に立ったが、交渉過程に関する情報開示に質疑が集中した。

午後に最初に質疑を行った玉木雄一郎議員も、主に交渉過程についての情報開示を求める質疑を行い、途中には、西川委員長に質疑をするという異例の一幕もあった。以下は、玉木議員の質疑とそれに対する答弁の抜粋である。

 

交渉過程、秘密保護に関する書簡のいずれも開示できない

玉木雄一郎議員:

民進党の玉木雄一郎です。よろしくお願い致します。

私も、与党時代から含めて、5年間以上このTPPに関わって参りましたので、今日こうしてTPPの関連法案、議論できること、感慨深いものがあります。午前中の与党の先生方のやりとりを聞いていて、思ったことは、TPPがバラ色のようなお話もされるし、食の安全も全く問題がない、そういう話がありましたが、私は正直、確信が持てません。なぜなら、その確信に至る情報がないからです。まず、安倍総理に伺います。一昨日の本会議で、このTPP協定の各協定の内容や趣旨、解釈について、引き続き丁寧に説明して参りますと、答弁されましたが、この基本方針に変わりありませんか。

 

安倍内閣総理大臣:

国民の皆様に丁寧に説明をしていく、これは当然のことであります。この太平洋地域に約4割のGDPの経済圏ができるわけでありまして、そこでどのような影響があるのか、あるいはまたこのチャンスをどのように活かしていくべきか、そして政府としては与党ともにどのような対策を講じているか、ということを、しっかりとこれからも丁寧にしていきたいと、このように考えております。

 

玉木雄一郎議員:

ぜひそれはお願いしたいと思います。

午前の質問の中でトップバッターを務められました、宮腰先生、大変いつもご指導いただいておりますけれども、国会決議がこの交渉において重要な役割を果たした、そういうお話がありましたが、私もそうだと思います。手前味噌になりますけども、実は2013年の3月、国会において決議をして、院としての意思を明確に示した方が交渉上も有利になるのではないかということで、実は国会としての決議をした方がいいと、初めて提案させていただいたのは、当時民主党の私であります。聖域の定義をすること、あるいは変に政府を縛ってしまうことは、交渉の柔軟性を失わせてしまうということで、当時与党の先生方からも、そういったことはしない方がいいという声もありました。

一方で、同じ頃、西川委員長も覚えてらっしゃると思いますが、自民党としても決議をして、一定の交渉の基準といったものを作られました。その質問を3月にして、4月に農林水産委員会の決議が決まるわけでありますけども、その中の7項に何が書いてあるかと言うと、交渉で得られた情報については速やかに、国会と国民に対してオープンにしていくという、情報開示の努力義務が書かれています。このことをしっかり守って交渉してくださいということは、再三にわたってお願いして参りました。

それでもなかなか情報が出てこなかった。その際は、交渉中だから、さすがにそれを全部出してくださいというのは、私も外交に一時携わった端くれとしては、すべてが出せないことはよくわかります。しかし、今回のTPP交渉の一つの特殊性は、極めて秘密性の高い、それは交渉が終わり、合意に至ってなお、必要な情報が出てこないことであります。本当に国益にかなう交渉をしたのか、そしてその結果が本当に国益にかなっているものかどうかは、交渉過程もしっかりと吟味しなければ、判断することはできないと思います。

そこで、民進党としては何度も勉強会を開いて、政府に対して、交渉過程についての情報開示をお願いしました。当初、全く出せないということでありましたが、強くお願いすればですね、紙が出てきました。どのような紙か。まっくろくろすけですよ、これ。私、様々な黒塗りをするような文章は見てきましたけれども、これまでまっくろくろの情報は見たことありません。これパネルにするとわかるんですが、これまさにのり弁当みたいになってますね。本当に、全くこれ、国民に対して、明らかにしていただけない。今日閣僚の皆さん座っておられますし、与党の先生方もいっぱいいらっしゃいますけども、このような状況でいったいどうやって、この交渉が決議に合致したものなのか、与党内手続き、あるいは閣議決定ができたのか、私は不思議でなりません。

もう一つ。この情報を出してくださいと言ってお願いする中で、高鳥TPP担当・内閣副大臣にも、ご説明を求めましたけれども、プライベートな食事が大切だ、そちらを優先して我々の会議には欠席をされ、説明することを拒否されました。情報は出さない。説明者は来ない。このことで総理、本当に、丁寧な説明をして参ります、この約束は果たされてるんでしょうか。

石原大臣にお伺いします。もう合意に至りました。出せる情報は、できるだけ開示していただきたい。特に、決議に違反してるかどうかは、立法府に所属している議員の皆さんで最終的に判断してくださいというのが、これまでの総理以下の政府の答弁であります。判断したいと思います、判断するためにも、交渉過程を含めた情報開示を求めたいと思いますが、いかがでしょうか。

 

石原TPP担当大臣:

総理がおっしゃられております通り、ご質問があれば丁寧にご説明をさせていただきたいと考えております。ただし、これも午前中の委員会でご答弁させていただきましたけれども、秘密保護に関する書簡がございまして、制約もあると。こういうこともぜひご理解いただきたいと思います。そして、午前中の委員会で、岸田外務大臣からご答弁がありました通り、交渉過程というものは原則的に非公開。こういうことが外交交渉の原則であるということもぜひ、ご理解をいただきたいと思います。

 

玉木雄一郎議員:

午前中からありました、秘密交渉の書簡、それを約束した書簡があるので出せないということなんですが、秘密契約のその書簡なんですが、どういう秘密の義務が課せられているのか我々わかりません。大臣、情報が出せない、合意後も出せない根拠となっている、秘密文章の公開はしていただけますか。

 

石原TPP担当大臣:

委員の出されているのは、以前にニュージーランドのホームページに載っていた、秘密保護に関する書簡ではないかと思いますが、制約があるということもぜひご理解いただきたいと思います。

 

玉木雄一郎議員:

正確に申し上げます。私が今このパネルに出したのは、今石原大臣がおっしゃったニュージーランドの外務省等のホームページにある雛形であります。雛形なので、実際にサインをして、関係国で結んだ秘密の協定内容がこれかどうかは我々判断しようがありません。本当に出せないということが、どのように規定されているのかは、我々は雛形で推し量るしかありませんけれども、現物について、こういう秘密は守りましょうと、書いてある文章はあるわけですから、それぐらい出せますよね。

 

石原TPP担当大臣:

その点についても、コメントをすることも含めまして、ご遠慮させていただきたいと思っております。

 

玉木雄一郎議員:

ちょっとおかしいですね。交渉過程を出せとは今私聞きませんでした。交渉過程を出してはいけないという約束を結んだ、その秘密の契約の書簡について出していただきたい。そしたら、確かにこういう約束してるから出せないことになってるんだと。今のままだとですね、大臣。どういう秘密義務になっているのかも、秘密なわけで、本当にこういう情報を秘密にするんだということを決められてることを我々は判断しようがないんですよ。今、政府側から秘密だから秘密ですと、言われてることだけなので、本当にどこまで交渉が妥結後も秘密になってるのかは、秘密文書でどう書いているかを見ないと判断できないので、秘密文書は公開してください。

 

石原TPP担当大臣:

この点も今日の午前中の委員会で岸田外務大臣からご答弁をさせていただいておりますとおり、各国の信頼関係に基づいて、この秘密書簡ができておりますので、この点につきましてもコメントは差し控えさせていただきます。

 

玉木雄一郎議員:

ちょっとお伺いします。秘密協定の書簡ですね、このことも秘密にしようということはどこで決まっているんですか?それは文書で決まっているんですか?

 

石原TPP担当大臣:

各国との信頼関係に基づいて、この秘密書簡もできておりますので、コメントを差し控えさせていただきたいと、申し述べさせていただいております。

 

玉木雄一郎議員:

委員長、答えていただいていません。秘密のこの書簡を秘密にするその約束はどのように行われてますか?

 

石原TPP担当大臣:

大変恐縮なんでございますが、制限をさせていただくということでご理解をいただきたいと思います。

 

この後も、玉木議員は、ウィーン条約法条約に照らして情報を開示すべきと主張し、交渉過程の開示を迫った。また、関係各国に許可を得れば情報開示できるのであれば、各国に許可を得て欲しいとの要求も行った。それらに対し、石原TPP担当大臣は、「内容並びに形式について各国とも出しておりませんし、そのような形でこの秘密保護の書簡に署名をしているということでご理解をいただきたいと思います。」と繰り返し理解を求めた。

その後、米国産の米の無関税枠が当初の5万トンから7万トンに変わっているという具体的な事例を持ち出して、甘利大臣から石原大臣への情報の引き継ぎについて質疑がなされたが、引き継ぎ内容を明かすことは交渉過程を明らかにすることになるとして、石原大臣はコメントを差し控えた。

 

委員長への異例の質疑

甘利前大臣の国会招致を要求した後、西川委員長に答弁を求めるという異例の場面があった。以下はその場面での質疑と答弁である。

玉木雄一郎議員:

委員長にもう一つお願いがあります。これは理事懇の場でお話があったということで私伺ったんですが、西川委員長は、党においても重要な役割を果たされて、TPPに関わってこられました。農林水産大臣としてもご活躍をされました。その中で、様々なTPPに関するこれまでのご経験をまとめた「TPPの真実」という本を、中央公論社から出版されると。その趣旨は、これも理事懇でのやりとりを側聞したんですけれども、やはりこれだけ大事な協定なので、後世にそれをしっかりと残し引き継いでいくという観点から執筆をされたと聞いております。これは委員長、事実でしょうか。

 

西川委員長:

委員長は答弁する立場ではありません。政府提出の協定・関連法案の質疑、これにおいては政府に関して疑義を正していただくものと、私は受け止めています。ですから、委員長としてはお答えする立場にはないと考えます。政府に対して質疑をしていただきたいと思います。

 

玉木雄一郎議員:

憶測で言ってるんではなくて、Amazonっていうネットで本が買えるところに、5月の6日発売で「TPPの真実 壮大な協定をまとめあげた男たち」といって、要約がもう入ってるんですね。それで、内容紹介が、「未曾有の多国間交渉で自国の将来をかけて繰り広げられた駆け引き。自民党TPP対策委員長として第一線に立った著者が、その熾烈な内幕を明らかにする。」

内幕を明らかにしていただきたいと思うんですが、実は私、ゲラ持ってます。それで、全文読ませていただきました。大変、時系列的にもよく整理をされておられますし、非常に参考になりました。これが本物かどうかっていうのは、私はわからないので、委員長に見ていただきたいなと思うんですが、ただ一つだけ申し上げておくと、書籍には世界共通のISBNという認識番号が付されています。先ほど私が申し上げたAmazonのISBN番号が、4120048463となっていて、私の手元にあるこの「TPPの真実」という西川委員長の本の最後のところに書いてあるISBN番号も、4120048463ですか、同じなんです。委員長、これ問いですけど、これは委員長が書かれた、どの段階かわかりませんけどね、これは委員長のものだと思うんですが。

 

西川委員長:

答えません。

 

玉木雄一郎議員:

これがそうなのかということを確定的に言ってるわけじゃないんですが、ただこの記述で気になったことがあったので伺います。

第3章にこういう記述があります。「この交渉の成否は、農林水産関係の譲歩にかかっていました。」農林水産関係でどれだけ譲歩するかが、この協定をまとめあげていく上で大事だということが、第3章に書かれています。

続いて第9章には、これ私もよくわかりますが、日本を除く自由化率95%以上を主張しているけれども、先ほど言った、タリフライン、重要5項目586を全部残したら、委員長ご存知のように93.5にしかならないので、いわゆるハイスタンダードでアンビシャスという、ホノルル合意で目指したものに辿りつかないということなので、その一部をやはり譲らないといけないということを、2013年10月のバリ会合のページに書かれています。この9章は、まさに「聖域を見直す」というタイトルが付いています。

さらに、第19章には、これも私現地にいましたからわかりますが、交渉の最終段階でニュージーランドが日本に対して生乳換算9万トン、これはきついなと。例の、生産余力が本当にあるのかというような話も問題になったところでありますけれども、相手方の要求水準が明確に書かれていますね。加えて第14章では、オバマ大統領の来日1ヶ月前から、アメリカは従来の原則論から譲歩すると水面下で打診してきたという記述もあります。これはアメリカ側の、明確な一つの交渉方針ですね。これはまさに相手方の要求内容、我が方の対処方針を含む、交渉過程そのものに関する情報だと思います。

石原大臣伺います。今私がいくつか例示をあげた、特に冒頭申し上げた、タリフライン586を、バリ会合のあたりで少し譲らなければいけないなというふうに、書くこと、発表すること、表明することは、先ほど何度も出てきた、12カ国の秘密交渉過程の守秘義務違反に、仮にこれが事実としたら反すると思いますか?

 

石原TPP担当大臣:

それが、委員がご自身で認められているとおり、正しいものか正しくないものかがはっきりしない段階で、そこに記述されているものが正しいか正しくないかわからない以上は、私が正しいか正しくないか、またそうなのかというようなご発言はすることができません。

 

玉木雄一郎議員:

この本がどうかということではなくて、例えば交渉に関わった者が、ニュージーランドの要求が生乳換算9万トンという相手側の要求水準を明かすことは、先ほど出たこのTPP秘密保護に関する書簡で決められた義務に、一般論として反するかどうかを聞いています。いかがですか?

 

石原TPP担当大臣:

一般論としてお答えさせていただくならば、仮にですよ、どこどこのなんとかという資料に、今委員が言われたようなことが書いてあって、それを提供した人間が国家公務員であるならば、守秘義務がかかっておりますので、それは当然遺憾なことだと思います。

 

玉木雄一郎議員:

国家公務員に限定されますか?

 

石原TPP担当大臣:

何度も申しますとおり、事実か事実でないかということが確認できない以上は一般論でしかお答えできませんが、その資料を提供した者が国家公務員であるならば、守秘義務が当然かかってますから、そういう事実はたぶんないでしょう。しかし、あればどうかと聞かれておりますので、大変遺憾なことであるとご答弁させていただいているわけであります。

 

玉木雄一郎議員:

この秘密協定文書の中には、government officialという、公務員も対象になっておりますが、それ以外にも、consultation process、日本語で言うと相談したりそれを決めていく際に関与する人も、この義務の対象者に、もしこの雛形通りであれば、対象になっております。

改めて伺います。ニュージーランドから、生乳換算9万トンという要求が、ありましたと、こういった情報を出すことは一般論として、この義務に反すると思いますか?

 

石原TPP担当大臣:

ずっと仮定の質問でございますので、その事実が確認されていない以上は、一般論でしかお答えすることができないということでございます。

 

玉木雄一郎議員:

もう一度伺います。大統領来日の1ヶ月前から、アメリカは従来の原則論から譲歩すると水面下で伝えてきたと。こういった情報は、極めて大事な相手方の交渉戦略にも関わる情報だと思います。こうした情報を、公開することが違反なのか違反じゃないのか。もし違反でなければ、同レベルの情報は、我々国会議員にも出していただきたいんです。

西川委員長は、農林水産大臣を務められ、そして、与党のTPPを決めていく上でも大事な役割を果たしておられる方です。世界中を飛び回っておられて、たしか2カ国でしたか、除いては全部訪問されたということも伺っておりますけれども、その意味では、私はこの守秘義務の対象者ではあると思いますね。改めて、委員長、これを見ていただきたいんですけど、最終ではないと思いますが、そこらへん我々わかりませんけども、やはりなんらかの形で執筆に関わったものであるということは、お認めになりませんか。

 

西川委員長:

ここで答える立場にありませんので、この委員会は、政府提出の協定・関連法案の質疑でございますから、政府に対して疑義を正していただきたいと思います。玉木雄一郎君、質問を続けてください。

 

玉木雄一郎議員:

質問をもう一回整理しますね。アマゾンで、ここに書いてある衆議院議員・西川公也さんていうのは、別の西川公也さんなんですか。もう端的に聞きます。「TPPの真実」という本を出版される予定はありますか、委員長。

 

西川委員長:

この場で答える立場に私はありませんので、質疑を続行してください。

 

安倍首相「交渉は結果が全て。すでに真摯に議論をしている。」

玉木雄一郎議員:

理事懇で、「TPPの真実」という本のタイトル、出版するのが中央公論社、そして後世に残さなければならない、時期も5月の6日ということをおっしゃったので、私あえてこういうふうに質問してるんです。

なぜこんなことを聞いてるかと言うと、政府に聞いてもこればっかだからですよ(黒塗りの紙を出しながら)。責任あるまともな議論ができないからね、西川委員長がずっと苦労されて、ずっとやってきた経緯が、世の中にオープンにまもなく出版される本に書いてあるのであれば、この範囲は守秘義務の範囲から外れてるんだろうと思って、今いくつか具体例をあげて聞いたんです。

どっちかになりますよ。ここ(「TPPの真実」のゲラとされるもの)の中に書いてあることが守秘義務違反なのか、それとも政府が過度に規制して、情報を出さないのか、どちらかなんですよ。総理、しっかりとした国民に責任を果たす審議をやりたいので、どちらが正しいんですか。ぜひお答えください。

 

安倍内閣総理大臣:

先程来、そのパネル(黒塗りの文書を拡大したパネル)を見せておられるので、国民の皆さんは誤解されるんだと思うんですね。我々がTPP協定について、なんにも情報を出してないから審議ができないのではないか、それは全くの誤解であって、まず交渉というのは、交渉が妥結をして、その妥結した結果が全てなんですよ。まさに、結果によって、TPPの新しい経済圏において、様々なことが起こってくるわけでありまして、だからすでにできる限り丁寧に説明しておりますし、3月の22日以降、のべ10回にわたる勉強会をやりまして、協定や法案に関する149項目の質問に対して、1529ページに及ぶ資料を提出して、真摯に議論をしているんです。

一方で、結果に至る交渉はありますよ。これはTPPだけではなくて、他の条約も全てそうです。他の条約も全てそうなんですよ。例えば安保条約なんかもそうですね。それに至る過程については、お互いがしっかりと協議をしますから、この協議がすぐに表に出るっていうのであれば、外交交渉なんかそもそも成立しないんですよ。ですから、当然そこは外に出さないという約束のもとに、議論をします。ですからその結果、我々も外務大臣から答弁をさせていただきました。相手方のこともありますし、我々の交渉戦術の基本的な考え方が、今後の交渉、様々な交渉、日EUのEPAだってありますし、そういう中において、どういう作戦でやってるかというのがわかってしまいますから、そういうことも含めて、出せないということになってます。

そこで一方、今、委員が、西川委員長が本を出される、私は今ここで初めてそのことを知ったところでございまして、中身については全く見てもいないわけでありますから、それについてどうこうということは、お答えを差し控えさせていただきたいと思いますが、当然、今までの過程について、その交渉の過程に携わった者は、それを外に出すということについては、それは守秘義務に関わってくるわけであります。

 

玉木雄一郎議員:

一部報道だと、この西川委員長の本はもっと早く出版される予定で、4月19日という話が当初ありました。しかし、審議をやっている最中に、発表されてしまうと、まずいことが知れてしまうと。先ほど、一番最初に申し上げましたけども、農林水産物でいかに譲るかがこの交渉のポイントだと。いわば本質的なことがバレてしまうので、官邸の指示で発売を遅らせたという話も、あります。(以下略)

衆議院インターネット中継より

 

 

この後、玉木議員は「TPPの真実」のゲラを委員会に提出することを求めた。また最後の質疑では、GPIFの運用状況の開示を参議院前に行うことを要求し、質疑を終えた。

与党と野党、いずれの質疑にも、具体的な法案の中身に関するものがほとんどなかった点は残念に思う。民進党が指摘するように、決議違反など、政府の交渉姿勢に問題があった可能性は否定できないが、まず検証すべきは、現在提出されている関連法案にリスクがないか、あったとして、それに対する政府の対策は十分なのか、といった点であろう。

交渉過程における過ちを追及していったとしても、それは基本的に政権批判にしかつながらない。国民の実利に影響するのは、あくまで承認案や関連法案の中身である。そのことを踏まえて、今後の委員会にて中身について活発な議論を行っていくことを、与党・野党のどちらにもお願いしたい。

Pocket