日本 経済

【4月8日の国会】審議中断となったTPP特別委。何があった?

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7日から本格的な質疑が始まった TPP特別委員会は、8日も安倍内閣総理大臣など関係大臣の出席を伴い開かれたが、委員会の途中で民進党を中心に野党議員が退席し、午前10時前からおよそ6時間審議が中断するという波乱の事態となった。

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答弁・議事運営に不満を訴え退席

7日の質疑にて、西川委員長が出版予定とされる本のゲラに関して追及があったが(関連記事:【4月7日の国会】TPP特別委での質疑答弁。法案の中身の議論はほとんど出ず。)、8日の委員会でも民進党・緒方林太郎議員は引き続きこれについて質疑を行った。

これに対し、石原 TPP担当大臣や安倍内閣総理大臣から答弁が行われたが、答弁が不十分な上に、西川委員長による議事運営が不公平として、民進党を中心に野党は退席した。

本記事では、審議が中断するまでの緒方林太郎議員の質疑とその答弁の内容を中心に見ていく。以下は、緒方議員の質疑と答弁からの抜粋。

 

Amazonから「TPPの真実」が消えた?

民進党・緒方議員:

民進党・緒方林太郎でございます。今日は1時間質問をさせていただきます。よろしくお願い致します。

昨日以来、こののり弁のような文書が非常に問題になっておりますが、我々に見せているのは、この資料であります。それに対しまして、昨日も質疑にのぼりましたが、西川委員長の「TPPの真実」という本についてですが、我々今朝びっくりいたしまして、西川委員長が書かれたとされているこの本が、Amazonのサイトから消えているんですね。消えた真実じゃないですか。西川委員長、消すための何か指示を出されましたでしょうか。

 

西川委員長:

委員長は、答弁する立場ではありません。政府提出の協定関連法案の質疑においては、政府に対して質疑を正していただくものと考えており、委員長としてはお答えする立場にないと、こういうことを申し上げておきます。

 

民進党・緒方議員:

我々の中で、予約した人間がいたんですよね。予約した人間がいて、さあこれからどうなるんだろうなというふうに思うわけなんですが、本当にこれ、消えた真実になってしまうんです。委員長、この件、我々はまた隠蔽かと。政府から出てくるものがこれ(黒塗りの文書を拡大したパネルを指す)。そして、委員長が、真実を後世のために明らかにすると言っておられて、我々も何を言ってくれるんだろうかと、期待をしておりましたが、それもインターネットのウェブサイトから綺麗さっぱり消え去って、予約した人はどうなったんだろうかというふうに思うわけでありますが、これ、どこかから指示があったんじゃないかなというふうに思うわけですが、安倍総理大臣にお伺い致します。内閣総理大臣官邸から、これを消せという指示を出されましたでしょうか、安倍総理大臣。

 

安倍内閣総理大臣:

昨日もお話をさせていただきましたが、そもそも、そういう事実について、全く認識をしていないわけでありまして、ここでの議論を拝聴させていただいたのみでございます。

 

民進党・緒方議員:

誰かの指示があって、これ消したんだろうなというふうに思うわけでして、5月6日が元々想定されていた発行日だったわけですが、またどんどんどんどんと情報が出てこなくなる、その隠蔽体質の一環ではないかということを述べさせていただいきたいと思います。

 

外交上会った人物の人物評を話すのはありえない

民進党・緒方議員:

この「TPPの真実」と言われる本のゲラとされるものでありますが、ちょっとひとつ、すごく気になることがありまして、私外務省出身ですので、人物評価を堂々と書いているということが、非常に気になります。一般的に外交において相手のパーソナルなことを、色々と書き連ねるということは、望ましくないですね。フロマン通商代表のことについて、交渉官の報告では、何度も反対する頑固者というふうに書いてある。会談中は眼鏡をせわしなく外したりつけたりするというようなことも書いている。森山大臣については、TPP参加の即時撤回を求める会代表を務めておられる際に、代表を引き受けたものの反対する気はあまりなかったのではないかというようなことが書いてあったり、専門は元々農林関係ではないというふうに書かれております。昨日質問に立った宮腰議員については、農林族間の調整にあまり関心がなかったと。さらには、内閣府の渋谷審議官については、しっかり説明しているようで、聞き手は結果として意味がわからないまま会話が終わりますと。彼以上に、話の意味を見えなくする立派な答弁者は私は知りませんと。ここまで書かれております。こういう論評というのは、外交上一般的に嫌われます。場合によっては、職務における信頼を損なわしめると、私はそう思います。一般論としてお伺い致します。外交上、会った人間の人物評をペラペラと外に話すのは、信義則違反であり、政治家としての常識に欠けるというふうに思いますが、安倍総理大臣いかがですか。

 

安倍内閣総理大臣:

今、緒方議員は、西川委員長が出版した本というふうに言われたわけでありますが、まだ出版した本というものについては、私は全く承知をしていないわけでございますし、本を出版したことを前提にした一般論といえども、答弁は控えさせていただきたいと思います。

 

民進党・緒方議員:

では、本の話はあえて切り離して、一般論として、外交上会った人間の人物評をペラペラと外に話す、パーソナルな論評をペラペラと話すということについて安倍総理いかが思われますか?

 

(岸田外務大臣が挙手)

岸田外務大臣:

一般論として申し上げるならば、私の経験を振り返ります中で、外交交渉上において、相手のパーソナルな点について、公の場で申し上げることはないのではないか、通常そういったことは行わないのではないかと考えます。

 

民進党・緒方議員:

そういうことなんです。通常ないんです。行わないんです。そういったことを、今回何らかの指示によって消えた真実になってしまったわけですが、そこにおいて、そういうことを書くというのは、本当に政治家としての常識を疑わしめるものであると、強く言わせていただきたいというふうに思います。

 

この後、秘密に関する書簡は誰を拘束するのかという質疑があった。石原TPP担当大臣と何度か質疑答弁を繰り返した結果、「政府に全く入ってない、閣僚でもなければ副大臣でもない、政務官でもない」国会議員は交渉過程や秘密書簡の内容を知ることはない、という認識で一致した。

 

秘密書簡に違反することがなかったかを徹底追求するも、明快な答弁はなし

民進党・緒方議員:

国会議員がそういうことを知ることはありえないということなんですが、この西川委員長が書かれたとされる本の中には、どう読んでも交渉の内情を詳しく説明していると、当時から詳しく知っていて説明しているとしか思えない記述が多いんですね。

例えば、「ニュージーランドは日本に対して生乳換算で年間9万トン以上の輸入枠を増やせの一点張りでした。」と。「日本はアメリカに対して、アメリカの日本車輸入の関税撤廃25年を短縮することを勝ち取ってきてほしい。これが実現すれば、日本もニュージーランドの乳製品の輸入拡大を考えると伝えていました。」と。明らかに交渉の経緯を、当時から知っていて、そしてその情報に基づいて動いていたことを示唆するものであります。石原大臣にお伺いを致します。本当に、国会議員が知り得ないこういった情報も知り得ない状況にあったと、確約できますか、石原大臣。

 

石原TPP担当大臣:

委員の前提が、委員がお示しになっている白い印刷物の束を指して、そこの内容についてコメントをというのであれば、そのものをなんであるかということを私は認識しておりませんので、ご答弁は差し控えさせていただきたいと思います。

 

民進党・緒方議員:

本の番号から何から全部一致していて、そして昨日国会で取り上げた瞬間に予約から何から全部できないように消されてしまうというもの。これは逆に、真実だということを示唆しているのだと思います。真実で、これが外に出てしまうと、審議に大きく差し支えるから、だから消したということなんだろうと思います。そう考える時に、ここに書いてあること。ニュージーランドと日本のやりとり。そしてアメリカとのやりとり。こういったものが、外に出ていたということは、由々しき事態ですね。仮にこれが外に漏れていたということであれば、これは秘密書簡に反するというふうに理解してよろしいですね、石原大臣。

 

石原TPP担当大臣:

先ほどもご答弁させていただきましたけれども、残念ながらそれがなんなるものか、またなんであるかも私は存じませんので、これ以上のコメントをすることは控えさせていただきたいと思います。

 

民進党・緒方議員:

明らかに裏で何かやっていることを示唆するような対応だと思いますが、しかしながら、この出版しようとしていたとされる本の一番最後になんと書いてあるかと言うと、出版にあたって協力してくれた、内閣官房、農林水産省等の皆様への感謝の念が述べられています。

ゲラをチェックしたりとか、情報を漏らしたりとか、そういったことをした職員は、内閣官房、そして農林水産省、絶対にいないというふうに言い切ることができますか、石原大臣、森山大臣。

 

石原TPP担当大臣:

ちょっと宣伝になってしまうかもしれませんが、私、今、COP21、そしてこれからの地球温暖化に関して本を書かせていただいております。その時情報提供として、環境大臣もおいでですけど、残念ながら私パリに行くことができませんでしたので、その情報を、国会議員としてどういう会議だったか、また何が論点であったか、こういう話はお話を伺わせていただいております。それが、委員が御指摘になっているものと同じだとするならば、情報提供っていうのものは国会議員に対して各役所が行っているのではないかと思います。

 

民進党・緒方議員:

(森山大臣に対して)すいません後ほどもう1回聞きます。秘密書簡の義務に反するような情報を漏らした公務員とか、仮にこの書籍が事実だとした時に、そういったものの作成に協力をした、そういった職員は一切いないと、内閣官房そして農林水産省にそういった職員が一切いないということを確約できますね、石原大臣、森山大臣。

 

石原TPP担当大臣:

ちょっと質問の趣旨がわからないのは、その、今委員がご提示をいただいているコピーがなんであるかということは私は残念ながら承知しておりません。そしてその内容も承知しておりません。そして、一般論として言えば、先ほどお話をさせていただいたように、今回のTPP協定において、確かマレーシアだったと思いますけれども、そこでこの秘密を守るための書簡に署名をしたのは鶴岡さんでありますし、鶴岡さんには当然守秘義務がかかる。またそれによりまして、それ以後の協定の内容、また経緯等々について、公にするということは4年間差し控えるということは、このルールの中に示されていると理解をしております。

 

森山農林水産大臣:

緒方委員にお答えを申し上げます。まず一般論として申し上げますが、国会議員の皆さんから政府に対して資料要求とか事実関係の確認があれば、適切に対応をしていることはご理解をいただけると思います。今回の件につきまして、具体的に執筆に協力をした職員は確認をされなかったと承知をしております。

 

民進党・緒方議員:

森山大臣の方が正確にお答えをされておられます。我々の方からもこれを聞いて、これがなんだかわからないということでありますが、内閣官房TPP政府対策本部からは、西川委員長が出版を検討しているということについては、そういう報道があるということについては承知していると。ゲラのチェックという形で具体的に協力した職員は確認されなかったと言っているんです。石原大臣、全然後ろの渋谷審議官からのブリーフが行き届いてないですね。

もう一度お伺いを致します。そういったゲラのチェックとかに協力した職員は絶対にいなかった、そしてもっと言うと、秘密書簡に違反するような情報の伝達の仕方をした職員は内閣官房には一切いないと、いた時には大臣が責任を取るというところまで、確約できますね、石原大臣。

 

石原TPP担当大臣:

本当に申し訳ないんですけれども、そのコピーがなんであるかが実証されていない以上、そのことに関して、私がコメントを差し控えさせていただいているということは、ぜひご理解をいただきたいと思います。

 

(緒方議員がもう一度答弁を求めるものの、委員長に再度質疑をするよう促される。)

民進党・緒方議員:

これ、内閣官房TPP政府対策本部4月1日付で、公式の文書として我々のところに紙で出してきてるんです。西川委員長が出版を検討しているという報道については承知していると。しかしながら、ゲラのチェックという形で具体的に執筆に協力した職員は確認されなかったと。いなかったではないですね、確認されなかったという表現です。だから聞いているんです。ゲラのチェックに協力した職員とか、もっと言うと秘密書簡の義務に係るような情報の漏洩をした職員は、内閣官房には絶対にいないと。仮にそういう職員の存在が判明した時には大臣は責任を取るというところまで確約できますね、ということを聞いているんです、石原大臣。

 

石原TPP担当大臣:

何度も話をして恐縮なんですが、そのものがなんであるかが私は確認できません。確認できない以上はそのものについてコメントすることができないということは、ぜひご理解をいただきたいと思います。

 

西川委員長:

緒方林太郎君、わかるように質問してください。(公平じゃないというヤジに対して)公平です。緒方林太郎君、質問を続けてください。そして石原TPP担当大臣からは、答えをもう一度お願いします。

 

民進党・緒方議員:

公平・公正に議事運営をすると、言われたじゃないですか。自分自身の本に関するからといって、そんな卑怯なことするんですか、委員長。委員長、おかしいですよ。自分自身の話だからといって、こんな不公平な議事運営ないですよ。おかしいじゃないですか。

私はゲラの内容など一つも聞いてないです。内閣官房TPP政府対策本部から、そういった本を出版するという報道があるということについては、承知していると。そして、そのゲラのチェックに具体的に執筆に協力した職員は確認されなかったと。それは大臣が司る内閣官房TPP政府対策本部の、その名前で返ってきてる。だから聞いてるんです。ゲラのチェックという形で具体的に執筆に協力した職員が絶対にいなかった、そして、交渉過程においても秘密書簡の義務に違反するような職員は絶対にいなかったと。もし仮に、この後、そういった職員が出てくるのであれば、大臣が国務大臣として責任を取るというところまで確約できますねと聞いてるんです、大臣。この4月1日、内閣官房TPP政府対策本部が出した紙というのは、これは嘘だったのかということを聞いてるんです、石原大臣。

 

石原TPP担当大臣:

委員がその白いコピーを中心に、ご議論をされておりますので、私はそれを存じないと。そして、内閣府として…(その話じゃない、などのヤジが飛び、石原大臣が答弁を中断する)

 

西川委員長:

緒方林太郎君、質疑を続行してください。そして、石原TPP担当大臣には、緒方委員が求めていることについてお答えをお願い致します。

 

(石原TPP担当大臣が挙手)

石原TPP担当大臣:

委員長に申し上げますけれども、私は答弁をしようとしておりました。それに対しましてヤジで答弁が封じられました。この事実は、国民の皆様方の前に本当のことをお話する上で非常に重要なことだと思います。全く仮定のものを出して、それの中にあることがどうなのかということに対してどうかということの議論の上に積みたった議論に対しては、コメントできないというのが私の立場でございます。

(質問に答えていないというヤジが飛ぶ)

 

西川委員長:

緒方林太郎君に申し上げます。石原大臣、何度かお答えしておりますが、まだご理解がいただけないようでありますれば、もう一度望む答えが戻ってくるようにご質問をお願い致します。

 

民進党・緒方議員:

なんか今、何の書類だって聞いた人がいましたね。役所からきた紙ですよ。役所から正式に返ってきた紙ですよ。何バカなこと言ってるんですか。

平成28年4月1日、内閣官房TPP政府対策本部から、「西川委員長が出版するとされる書籍『TPPの真実』への政府の関与について」という題で正式に返ってきてるんです。全部読みましょう。

「西川委員長が出版を検討しているとの報道は承知している。一般論として、国会議員から政府に対して資料要求、事実関係の確認があれば適切に対応している。特定の議員に対して具体的にどのような資料提供等をしているかについては、お答えすることは差し控える。なお、ゲラのチェックという形で具体的に執筆に協力した職員は確認されなかった。」と。

我々はこの資料を出すときに、内閣官房の方々に、大臣まで決裁とってやってくれと、そこまで言っているんです。この資料です(前述の「西川委員長が出版するとされる書籍『TPPの真実』への政府の関与について」を見せる)。

別にゲラがどうだとか、そんなことは私一つも聞いてないです。ただ、ゲラのチェックという形で具体的に執筆に協力した職員は確認されなかったと言ってるんです。じゃあ大臣にお伺いをしましょう。この書類、4月1日内閣官房TPP政府対策本部のこの書類、大臣は決裁されましたか。

 

石原TPP担当大臣:

急に白い紙をさっきから出されて、それがなんなのか確認することは私できておりません。

 

民進党・緒方議員:

これはひどいですよ。我々が事前の勉強会で、色んな資料を出してくれと。色んな資料出しますと、安倍総理大臣も言ってましたよ。要望には答えて、色んな資料出してきましたと。その資料の一つですよ。その資料の存在すら否定して、わかんないから答えようがないって、我々に出した資料はなんだったんですか。我々に出した資料は、大臣も承知していないような嘘っぱちの資料ですか。大臣、お伺い致します。この資料は、大臣、存じ上げませんか。我々、大臣に決裁をとってくださいということまで言った上で、資料を出してもらってるんです。大臣いかがですか。

 

石原TPP担当大臣:

私の手元にあるものの中に、理事会でお示しされた、この委員会に提出するというもの、その中に紙がない以上は、そのものが何かということを正式に確認することができませんので、お見せいただけませんかそれを。

 

民進党・緒方議員:

渋谷審議官、この資料提出されてますよね。大臣にきちっと渡して、ちゃんと説明してくださいよ。

なんでこんなことでもう33分も時間が過ぎてるんですか。もう何度も何度も同じこと聞いていて、全然ポイントがずれた答弁ばかりして、時間をどんどん浪費する。本当にこれ審議妨害ですよ。

大臣にもう一度お伺いします。これは、内閣官房TPP政府対策本部が正式に我々に出してきた資料なんですね。その中で、ゲラのチェックという形で具体的に執筆に協力した職員は確認されなかったと言ってるんです。ゲラの執筆に協力した職員は絶対にいない。そして、秘密書簡の義務に反するような情報を国会議員に漏洩したような、そんな職員は、絶対にいないと。いるのであれば、大臣として責任を取るというところまで確約してくださいと、さっきから何度も同じことを言ってるんです、大臣。

 

石原TPP担当大臣:

ちょっとアンフェアだと思うんですね。というのは、何であるかがわからないもの、それが…(そんなこと聞いてない、などのヤジが多く飛び、石原TPP担当大臣が答弁を中断する)

 

(答弁拒否だ、時計を止めてくださいというヤジが飛ぶ)

西川委員長:

それでは、静かに聞いていただくと、こういうお約束でもう一度答えてもらいます。

 

石原TPP担当大臣:

私は、この厚い白いコピーが何であるかを確認する立場にありませんし、それに書いてあることが、政府が関与したかしないのかってこともわかりません。私がわかってることは、西川委員長が本を出されるということを承知しているかと言えば、内閣府としては承知していると。そして委員が言うように、その中で、先ほど私、環境省への資料の要求の話をしましたけれども、そういうことがあることは、通常あると。しかし、そういう中で、内閣府の人間がそういうことをやったということは確認できない。これと、この白い資料(ゲラを指すと思われる)の話とは全く別の話ですから、私はそういうふうにお答えをさせていただいている。そういうふうに話をさせていただこうという前段のところで、聞いてない聞いてないと言うから、話ができなくなっただけでございます。

 

民進党・緒方議員:

私、ゲラの中身の話なんか一個もしてないです。この4月1日の資料を政府として出されて、その中に、ゲラのチェックという形で関与した職員は確認されなかったというふうに言ってるんですね。だから、絶対にいなかったということを、内閣官房を司る大臣として確約してくださいと。そしてもっと言うと交渉中についても、秘密協定の義務に反するような情報漏洩をした職員は一切いなかったと。いたのであれば、内閣官房のTPP政府対策本部を所掌する大臣として責任を取るというところまで。明確ですよこの質問は。なぜこの質問に答えられないんですか。大臣、一発で明確にお答えください、石原大臣。

 

石原TPP担当大臣:

ゲラのチェックって、委員が示されたものがゲラかどうかであるってことは私確認できません。

(明らかに答弁をしていないというヤジが飛ぶ)

 

西川委員長:

緒方林太郎君、石原TPP担当大臣が答弁しやすく、もう少し質問をわかりやすくやってください。

 

民進党・緒方議員:

西川委員長、全くと言っていいほど公平性に欠ける議事運営ですよ。自分のことに関する話になると、委員長もその席から隠蔽に加担してるわけですよ。ひどいですよ、委員長。

じゃあ石原大臣にお伺いを致します。この4月1日に、大臣が長を務める、内閣官房TPP政府対策本部からこういう紙が出てきた。渋谷審議官後ろで持っておられますよ。渋谷審議官が、政府全体の統一見解として出してると。そういうペーパーの存在を否定されますか、石原大臣。

 

石原TPP担当大臣:

私、先ほどから全く否定もしておりませんし、ゲラをチェックしたのかと、そのゲラが確認できない以上はそのゲラに対してのコメントができないということを言ってるんであって、そこのところはぜひご理解をいただきたいと思います。

(質問の答えになっていない、時計を止めてくださいなどのヤジが多く飛ぶ)

 

(しばらく議論が紛糾した後、石原TPP担当大臣が挙手)

石原TPP担当大臣:

何度もお話をさせていただいておるんでございますが、西川さんが本を出されるという報道を前提に内閣官房が調査をしたわけであります。今お示しされているもの、あの白いものが、そのゲラであるかどうかが確認されない以上は、あの内容について内閣官房の人間が調査をしたかしないかというコメントはできないわけであります。内閣官房に、ゲラを協力した職員はいないのかという問い合わせは、あくまで報道ベースにのって、その報道に対して、職員がいなかったということを今示されているペーパーの方は示している。私はですから誠実に答えさせていただいているところでございます。

(ここで民進党議員が退席し、審議は中断)

衆議院インターネット中継より

 

 

7日の審議に引き続き、法案の中身ではなく、西川委員長の著書とされる本のゲラを元に、秘密書簡に違反することはなかったのかという話に終始した。緒方議員が散々指摘しているように、西川委員長の本のゲラから、秘密書簡に反することはなかったのかという疑念は確かに拭えない。

しかし、問うべきことの優先順位を考えると、法案の中身についてのことの方が、優先順位が上の問いなのではないだろうか。望ましくないことではあるが、仮に政権批判を目的とする場合であっても、関連法案という厳然たる結果の不備を指摘する方が、その交渉過程の不備を追及するよりも、より効果的であるようにも思える。本委員会のみならず、優先順位も意識した議論が行われることに今後は期待したい。

 

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