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【4月21日の国会】「アホ」発言の足立議員。質疑で何を語ったか。

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21日の国会では、衆議院総務委員会が開かれた。議題は「行政機関等の保有する個人情報の適正かつ効果的な活用による新たな産業の創出並びに活力ある経済社会及び豊かな国民生活の実現に資するための関係法律の整備に関する法律案」だったが、途中で質疑に立ったおおさか維新の会・足立康史議員から民進党の議員に対し「アホだと思いますね」などの発言があり、同議員が謝罪して、発言を議事録から削除する事態となった。

おおさか維新の会・足立議員は、4月上旬にも総務委員会で「民進党はアホじゃないか」などと発言し、その際にも物議を醸していた。21日の委員会では、どのような趣旨でそのような発言をしたのだろうか。本記事では、足立議員の質疑とそれに対する答弁を見ていきたい。

 

不適切な発言で再三注意

委員会は、民進党・高井崇志議員の質疑から始まったが、その内容に対して後に足立議員から非難が浴びせられることとなった。高井議員は冒頭で、熊本地震の現地対策本部長である松本副大臣が、熊本と政府を結ぶテレビ電話上で食事の差し入れを要請したことを追及。さらに、週刊誌の記事に書かれていた、松本副大臣の発言とされる内容の事実確認を行った。高井議員の質疑中にも、すでに足立議員はヤジを飛ばし、遠山委員長から注意を受ける一幕もあった。

質疑に立った足立議員は、まず震災に関連して、消防の体制強化を提案した後、民進党批判を行い、不適切な発言について遠山委員長に再三注意を受けた。以下は足立議員の質疑とその答弁の抜粋。

 

国会のダブルスタンダードはやめるべき

おおさか維新の会・足立議員:

おおさか維新の会の足立康史でございます。今、こうして我々が、今日は法案審議でありますが、委員会審議を進めている間も、被災地・九州では本当に大変な思いで、被災者の皆様、ご苦労をされておられます。心からお見舞いを申し上げたいと思いますし、今こそ我々は党派を超えて九州の支援に力を尽くして参りたい。こう思います。今日、私どもの代表の松井一郎大阪府知事も、会見で申しておりましたが、九州も当然ですが、東北の皆様も頑張ってらっしゃいます。日本中が、東北、そして今足元で九州の皆様が本当にご苦労されているということで、国民の皆様が、そういう思いで被災地に寄り添って、今頑張っている。このことを私は承知をしているつもりであるし、我々国会議員は先頭を切って、そのために働いていかなあかんと、こう思っておるところであります。

そういう観点から、昨日おおさか維新の会として、安倍総理に提言をお持ちをしてます。高市総務大臣、通告してないんですが、総理への提言ってまだ大臣のところには届いてないですね。ちゃんと大臣にお届けをしますので、またご覧いただきたいと思いますが、昨日片山共同代表から安倍総理に直接お出しをした緊急提言があります。もう九州の皆様には、今の体制でやるしかないというか、今ある力を全て出し切るしかないわけでありますが、その提言の中に、消防の話が入ってます。消防って、釈迦に説法でありますが、自治体消防ということで、市町村がやると。これGHQが作った枠組みなわけですが、被災地に対してプル型からプッシュ型っていう議論もあって、市町村が防災・消防全てやる今の体制が本当に十分なのかという議論があると私は思ってます。昨日おおさか維新の会が、片山共同代表が安倍総理にお出しした提言の中の一つの項目に、大阪消防庁の提案があります。市町村消防の中で、東京は、法令のちょっと複雑な規定なんですが、消防組織法という法律で、東京については特別区を基本としつつも、知事がある程度指揮権を持てるような、特別な体系ができてるんです。でもそれ東京だけです。やっぱり西日本は、例えば大阪の消防の力を、大阪消防庁という形で強化をしていく。いざという時のために、今回のような震災、九州ですから、大阪にもしっかりそういう消防の拠点を作っていく。これが大事だということで提言をさせていただきました。これ通告ないんですが、大臣これ、見て検討するだけでも結構ですので一言いただければと思います。
高市総務大臣:

まだご提言書、私のところには来ておりませんので、今日午後から官邸で会議がありますので、その時にいただけるんじゃないかなと思っております。この度の熊本地震におきましては、大阪府からも、緊急消防援助隊で、隊員の皆様にいち早く出動していただき、大変なご苦労をいただいておりまして、感謝を申し上げております。広域の応援っていうのはものすごく重要ですので、広域化を進めているところです。そして今回、大阪府をはじめとして各府県から派遣していただいた緊急消防援助隊でございますが、これも県知事に要請をいたしまして、県知事が取りまとめて、判断をして派遣をしてくださったものでございます。ということを考えますと、今十分に機能していると考えております。
おおさか維新の会・足立議員:

我々は、消防の体制、もっともっと強化していく必要があると、こういう観点でご提言申し上げまして、引き続きご検討いただければと思います。それから、今大臣からご紹介をいただきましたように、私たちの地元、先生方の地元、日本中の消防が今動いてくれてます。私の地元でも、例えば箕面市なんかでも、箕面市、茨木市、池田市、豊能町、能勢町、みんなそうですが、市民の皆さんに、自分たちの消防は、例えば箕面市だったら箕面市長が、倉田市長が、元々総務省の方ですよね、自分たちの作ってる消防が今被災地に行ってるよということを情報発信しながら、国民をあげて九州を支援する。そういう体制というものを作っていることについて、ご承知おきを当然いただいてると思いますが、この場でも、全国の皆様に、消防の皆様に感謝を申し上げたいと思います。

ちょっと今日は上品に入ってますが、今朝、メールがきまして、妻から。「指向をたまには変えて上品にやりなさい」と。そういう妻からの指令も出ておりまして、上品にやってますが、ただ言わねばならないことは言わねばならないと。今日は高井さんが、高井委員が冒頭時間取られました。私これ、問題だと思います。テレビカメラも呼んで、内閣府の松本副大臣を呼びつけて。松本副大臣は被災地で頑張ってきて、官邸にそれを報告して、今やってるわけです。呼んで何言うかっていったら、週刊誌を読み上げて「お前けしからん」というわけですよ。あほだと思いますね、ホント。あほ。
遠山委員長:

足立委員に申し上げます。足立君の民進党に関する「あほ」という発言は、国会法第119条「各議院において無礼の言を用いてはならない」という規定に照らし合わせまして不適切だと思われますので、「あほ」という部分についてはこの場で取り消しをしていただきたいと思います。
おおさか維新の会・足立議員:

私は遠山委員長のご差配、敬意を表してますので、もちろん訂正をさせていただいて、削除を私の方からも申し上げたいと思います。言い換えると、「あほ」というのがいかんというのであれば、いろいろ言いたいことはありますよ。「日本死ね」はいいのかとか。言いたいことはありますが、遠山委員長がおっしゃることですから、訂正して、またお詫びをして削除に応じたいと思いますが、頭が悪いですよ、頭が。それから嘘つきです。嘘つき。

僕らは国会議員なんです。国会議員っていうのは言うべきことを言うんです。だいたい民進党はおかしいんですよ。今日ね、自民党の皆さん、私25分いただいてるんです、25分。不思議ですよね、皆さん、25分。委員長、これありがたいんですよ。これ誰が決めたか、今立ち上がった人ですよ。奥野さんっていうんですけど、彼は野党筆頭ってフリしてますけど、民進党の筆頭であるのは認めますよ、でも我々を代表してません。なぜしてないか。時間配分する時に、足立さんが民進党の批判をしだしたら、時間を減らして18分ですよ、18分。衆議院に2人しかいない社民党が20分で僕は18分ですよ。普段は20分です。で、今日増えてるんですよ。なんでかわかります?今日法案審議だから、つまんないから時間減らすとかいって、自分たちの時間を。自分たちが質問したくないときは「はい足立さんやってください」といって時間を増やしてくるわけですよ。18分にしたり、20分にしたり、25分にしたりする。おかしくないですか、この人。だから私は、奥野総一郎という議員は国会議員にもとる、ひどい議員だと思いますよ。あーわかったわかった。委員長、今の削除。訂正しますよ。

(遠山委員長の指示により速記が止まる)
遠山委員長:

足立委員に申し上げます。ただいまの足立委員の発言中に極めて不適当な言辞があったように思われますので、後刻、速記録を調査の上、措置することといたしますが、先ほどご本人が発言の途中で「即刻、訂正します、削除します』という話がございました。委員長として速記録を見ておりませんので、正確に発言を記憶しているか、私自身、自信がないところはございますけれども、奥野総一郎委員に対して「国会議員にもとる」というような趣旨の表現があったかと思いますが、これは先ほど申し上げました国会法に照らしましても、無礼な言にあたるというふうに委員長として判断をいたしますので、もしこの場で即刻削除をすることに同意をされるならば、その旨、明確に発言をしていただき、またこの後の発言については議題に沿ってお願いをしたいと思います。
おおさか維新の会・足立議員:

私は委員長のご差配、全て従いますし、先ほど奥野議員に申し上げた私の言葉については、お詫びをし、削除をさせていただきますが、国会は国権の最高機関です。遠山委員長のご差配は問題ないと思いますが、やっぱり二重基準だと思うんですね、二重基準。なぜ一国の総理大臣に「ヒトラー」とか「ナチス」とか、そういうことを言うことが認められて。国会議員にもとるって別に人間であることは否定してないですよ。普通の一般人であることは否定してないですよ。でも、国会議員っていうのは、国民の負託を受けて仕事をしているんですよ。一国の総理大臣に「ヒトラー」と言ったり、「嘘つき」と何回も言ったり、あるいは日本国を取り上げて「死ね」という言葉を紹介するのは、絶対にやめた方がいいと。この委員会じゃないですよ。予算委員会ですよ、テレビ入りの。本会議場ですよ、本会議場。

だから私は、ぜひ与党の皆様にもお願いしたいのは規範をもう一回作り直しましょう。国会全体の規範を。ダブルスタンダードはやめましょう。何が今国会でダブルスタンダードかと言うと与党と野党なんですよ。与党は我慢する。野党は何を言っても許される。おかしいですよ。これ議院内閣制の弊害です。議院内閣制の悪いところだけが今も受け継がれてるんです。国会改革をするべきだとお訴えをして、質問に移りたいと思います。

 

与党の議員が寝るのは野党が悪い

おおさか維新の会・足立議員:

2000個問題とか色々質問したいことはありますが、大体もうわかってますから、ご答弁。わかってることは質問しません。大体、ここでやられてる質問の多くは、ここでやらなくてもわかってることなんですよ。だからもうちょっと大事な質問を、皆しましょうよ。与党の皆さんも退屈しちゃうと思いますよ。よく週刊誌が、与党の議員が寝てる写真を撮りますね。あれ野党が悪いんんですよ。野党がつまらない質問してるから与党の皆さん寝るわけですよ。まあいいや、ちょっとやめときましょう。

今回の法案で一番大事だと思っているのは、何度も言ってますが医療です。厚生省ね、ちゃんとやってください、ちゃんと。昨日も事務方に聞いてたら、法案ができたら考えますって言うんですよ。あかんでしょ、それ。議員内閣制なんだから、法案通るんですよ、絶対。安全保障法制は法案が成立する前から準備する、これは当たり前ですよ。それをまた民進党とか共産党が、なに準備してんだって怒るわけ。準備するのは当たり前じゃないですか。この法案まだ通ってません。準備ちゃんとしてくださいよ。どうですか。
安藤大臣官房情報政策・政策評価審議官:

お答えを申し上げます。行政機関や独法等が保有する個人情報につきましては、個人の権利利益に支障が生じない範囲内で、民間事業者への利活用を進め、豊かな国民生活の実現につなげていくことが重要だと、私どもは考えてございます。また、医療情報につきましては、適正な法が求められる一方で、適切に活用することも通じまして、医学研究や医療の高度化など、社会全体の利益につながるものであると、考えてございます。厚生労働省や社会法人等で保有します医療情報につきましては、民間事業者の提案を受けまして、今回の法改正の趣旨や要件と照らしまして、厚生労働省あるいは独法等で適切に判断をいたしまして、行政機関非識別加工情報を作成いたしまして、医療情報の適切な利活用につなげていきたいと考えてございます。
おおさか維新の会・足立議員:

今、ご答弁いただいたのは、厚生省でいうと官房なんですよ、たぶんね。官房ですよね、官房。こういう一般的な質問をするとね、官房がお答えになるんですよ。いいですよ全然。本当は大事なのは、医療の保険者たちが情報持ってるわけです。保険者に質問しようと思うんだけど、保健局は現場持ってて、答えられないんですよ、重たくて。だから、行政っていうのは難しい時代ですけど、官房の思いを、保健局とかとちゃんと連携して。現場重たいのはわかるし、医師会とかがしのごの言ってくるとかあると思いますが、だいたい医療等ID作ったのも合理性ないんですよ。医師会の肩もみのために作ったんですよ。まあいいけど、とにかく合理的にやってください。

 

この後、1問だけ法案について質疑を行い、最後の時間は再び民進党批判を行った。

 

民進党が被災地の足を引っ張っている

おおさか維新の会・足立議員:

持ち時間はもう少しありますが、民進党から分けてもらった時間をあんまり使いたくないので、早めに終わりますが、懲罰の話があります。遠山委員長をはじめ、総務委員会の先輩諸氏には心から改めてお詫びをいたしますし、今日の度を過ぎた発言についてはおわびをして削除いたしますが、しかし、よく民進党の方は反論権っていうんですよ。でも反論権より発言権の方が大事なんでね。反論権がないから言うなとか、それだったら反論できる場を作ればいいんですよ。国権の最高機関だから自分たちで作ればいいんですよ。

それから最後に、もうやめますが、私が今日、いろいろ口を荒だてて、大変失礼なことも申し上げましたが、今日の高井委員の質疑については問題があると思います。テレビを呼んで、被災地で頑張ってきた副大臣を呼びつけて、週刊誌をもとに誹謗する。今、九州のために全力を尽くしているのは、自民党、公明党が作った政権です。我々も大阪では与党ですから、おおさか維新の会も全力で九州に人を送って今やってます。何もやっていないのは民進党だけですよ。民進党は何をやっているか。足を引っ張っているんですよ、足を。ふざけるなよ、お前らホンマに。
遠山委員長:

「ふざけるな」というご発言についても削除いただきたいと思いますがよろしいですか。
おおさか維新の会・足立議員:

はい、よろしいです。謝罪をし、削除いたします。もう懲罰委員会っていう議論がありますが、懲罰委員会にかけていただいても良いかと思うんですよね。我が党の国対の皆様、与党の国対の皆様には心からお詫びをしますが、「あほ、ばか」発言で地元の票もだいぶ減ってます。今日は(同じ大阪9区で自民党の)原田先生もいらっしゃいますから、地元は原田先生にお任せして、今期限りでね。挑戦はしますよ。挑戦はしますが、難しいと思うんですよ、次は。だから言いたいことだけ言っておきたいと思いますので、とにかく民進党が被災地の足を引っ張っていることだけは許せない、これだけは申し上げて私の質問を終わりたいと思います。ありがとうございます。

衆議院インターネット中継より)

 

足立議員の指摘は、たしかに一部不適切な発言があったものの、的を射ている発言もあるように思える。国会での質疑において、法案の中身ではなく政権批判を目的としているような発言が散見されるのは事実であり、そういった政局ばかりを意識した態度は慎むべきであろう。国民への影響という観点から法案について建設的な議論を行っているかは、我々有権者も注視していかなければならないポイントである。

 

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