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フィンランド月800ユーロのベーシックインカム導入は誤報。フィンランド社会保険庁「まだ研究が始まったばかりです」

Basic_Income_Performance_in_Bern,_Oct_2013
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今日フィンランドが全成人に月800ユーロ(約11万円)のベーシックインカムを導入することになりそうだ、という記事が拡散していたが、フィンランドの社会保険庁が「ベーシックインカムについてミスリードな報道が相次いでいる。可能性を探るための研究が始まったばかりである」と訂正記事を出している

あたかも2016年11月に導入されるかのような言い方をしているが、実際のところは2016年春に他国での実施状況の報告が政府に提出され、同年下半期に試験モデルや調査計画が立てられ、2017年に試験が開始される予定だ。

 

国家レベルで導入されそうのはフィンランドが初めてであるが、オランダの都市ユトレヒトではベーシックインカムの試験導入が決まっており、2016年1月から開始予定である。

ユトレヒトの場合は、大人1人あたり月900ユーロ(約12万円)、カップルや家族あたり月1300ユーロ(約18万円)支給とされている。

またカナダのマニトバ州ドーフィンでは1974年から1979年にかけて試験的にベーシックインカムが導入され、貧困問題の是正に貢献したが、予算難のため中止となった。

フィンランドの場合、ベーシックインカムを導入するには、年間約522億ユーロ(約7兆円)かかると試算されており、その代わりに全ての社会保障を停止する予定である。

また、フィンランド国民の約7割が導入に賛成だとされている。

 

ベーシックインカムとは?

そもそもベーシックインカムとは、最低限の所得保障の一種で、政府がすべての国民に対して最低限の生活を送るのに必要とされている額の現金を無条件で定期的に支給するというものである。

メリットは?

メリットとしては、貧困対策、少子化対策、社会保障制度の簡素化(による人員削減、利権の縮小、小さな政府の実現)、が主に挙げられる。

デメリットは?

一方、デメリットとしては、労働意欲の低下、財源の確保、また在住外国人に対しても同様に支給した場合移民が殺到し財政破綻する可能性がある。

 

日本の場合、労働意欲の低下に関しては、全く労働する必要性がなくなる額(10万円以上)を支給することは現実的に難しく、その心配はないように思われる。

仮に今の年金・雇用・生活保護といった社会保障費をベーシックインカムに置き換えると、一人あたり約5万円支給することが可能だと試算されている。

ではこのベーシックインカムを導入した方が良いのでは、という意見が出てきそうであるが、既存の官僚組織の破壊を意味するので実現へのハードルはかなり高いであろう。

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