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仏極右・国民戦線と極左・左派戦線の支持者はどういった人々なのか?

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フランスのジャン・ジョレス財団が、極右・国民戦線(FN)と極左・左派戦線の支持者がどういった人々なのか分析した記事を掲載している。

 

反グローバリズム・反EUが極右・極左へ

これによると、極右・国民戦線の支持者は、反グローバリズム、EU懐疑主義、外国人嫌悪といった特徴を持つとしている。また、低所得で、低学歴である可能性も高い。

一方、極左・左派戦線の支持者は、反自由主義、反グローバリズム、外国人嫌悪への忌避が特徴として挙げられている。さらに、極右・国民戦線の支持者とは異なり高学歴で、自らを左派だと位置付けている。

社会に対して強い不満を持つことに変わりはないが、移民に対する考え方は大きく異なる。

2012年の大統領選ではともに躍進したが、今は極左・左派戦線の勢いが少し落ちている。これは移民排斥気運が高まっていることが大きな理由の一つであろう。

 

トランプとルペンの共通項

この極右・国民戦線の支持者層は、共和党大統領候補トランプ氏の支持者と近いものがあるだろう。

先日ニューヨーカー紙は、ドナルド・トランプは米国における国民戦線党首マリーヌ・ルペンだ、という記事を掲載した。

この記事ではルペン氏の方が過激で仏大統領になる可能性も高いとしているが、両者に共通している点は多い。いくつか発言を比較する。

移民:
トランプ氏は全容が解明するまでイスラム教徒を入国禁止すべきと提案したが、ルペン氏は違法合法問わず移民受け入れを停止すべきだと主張。

国境:
トランプ氏はメキシコとの間に高い壁を建てるとし、ルペン氏もEUが何と言おうと安全を確保するために国境を強化するとしている。

露大統領プーチン:
トランプ氏はプーチンとより良い関係を築けるとし、ルペン氏も米国やEUから自国の利益を守ろうと対抗しているプーチンを称賛している。

雇用:
トランプ氏は私が大統領になれば中国から仕事を奪い返すと述べ、ルペン氏は防衛を強化し、再工業化するとしている。

ISIS:
トランプ氏は水責めやもっと爆撃を増やすべきと主張。ルペン氏は今最も危険なのはイスラム原理主義だとし(2番目はグローバリゼーション)、アサド政権がシリアを率いなければ解決しないと主張。

 

世界で躍進するポピュリスト

仏では今日、州議会選挙の決戦投票が行われる予定で、極右・国民戦線が初めて州レベルで第1党になるかが注目を集めている。父親のジャンマリ・ルペン氏は反ユダヤ主義を主張したが、娘のルペン氏はイスラム教徒とグローバリゼーションを敵視することで共感を集めている。また、ハンガリーのオルバン首相は同国の極右政党「ヨッビク」の反ユダヤ主義を支持し、ポーランドの極右与党「法と正義」のカチンスキ党首は難民を「寄生虫」だと非難している。二度と戦争を起こさないようにつくられたEUであるが、独とともに推進してきた仏がその歩みを止めるようであれば欧州に再び対立機運が生まれかねない。

トランプ氏ばかりに注目が集まっているが、現実的にトランプ氏が大統領になる可能性は低い。一方、ルペン氏が率いる国民戦線は躍進しており、2017年の仏大統領選で大統領になる可能性も十分あり得るため、注視が必要であろう。

(photo: france bleu)

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