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ジカ熱、インドネシアでも感染確認

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インドネシアのアイクマン分子生物学研究所は先月31日、スマトラ島のジャンビ州在住の男性(27)がジカ熱に感染していることが分かったと明らかにした。発表によると、この男性は海外への渡航経験がなく、以前からウイルスが同国内に存在していたことも考えられるという。

世界保健機関(WHO)は28日、「ジカ熱」が急拡大しており米大陸で今年最大400万人に感染する恐れがあると発表したばかりだが、アジア太平洋にも拡大する恐れがある。

 

ジカ熱とは

ジカ熱はデング熱やチクングニア熱と同様、蚊を媒介して感染するが、ジカ熱は感染しても症状が軽いため気付きにくい場合もある。蚊に刺されてから2〜7日程度の潜伏期間のあと、軽度の発熱や発疹、結膜炎、筋肉痛、関節痛、倦怠感、頭痛などの症状が2〜7日間程度続き、症状は自然に治まる。感染したヒトから他のヒトに直接感染することはないが、移植や輸血によって感染する可能性は否定できない(性感染が1件報告されている)。

一方、妊婦が感染すると胎児に「小頭症」と呼ばれる先天異常を引き起こすことが強く疑われている。死産となる可能性が高く、産まれても早期に死亡する可能性も高い。そのため、南米諸国では妊娠を避けるよう呼び掛けている。またブラジルでは人工中絶は違法だが、人口中絶を認める声が強まっている。今のところ有効なワクチンや治療法は存在しない。

 

人間を最も多く殺している生き物が「蚊」であることは有名な話だが、今でも蚊に苦しめられている。今回ジカウイルスが急拡大している経緯として、デング熱撲滅のために開発された、遺伝子組み換えの蚊の放出が原因の可能性があるとされている。

この遺伝子組み換えの蚊(OX513A)と雌が交配して生まれた蚊は、成虫になる前に死ぬように遺伝子がプログラムされており、熱帯病の流行を抑える秘密兵器として期待されていた。しかし、デングウイルスを持つ蚊を撲滅しようと遺伝子組み換えの蚊が放出された地域こそジカ熱が蔓延した地域と重なっているのだ。この蚊を開発したオキシテック社は関連を否定しているが、生き残った蚊が生態系に影響を与えた可能性もある。

 

ジカウイルスは1947年、アフリカでサルの感染から発見された。人間の間ではこれまでにアフリカ、アジアの一部、太平洋諸島で小規模で一時的な集団感染の事例が記録されている。

しかし2015年5月にブラジルで感染例が発見されて以来、南米・北米両大陸では大規模な集団感染が発生している。

今年はリオデジャネイロオリンピックが開催され、ブラジルへの渡航者が急増することが予想されるため、世界中で感染者が増えることが懸念されている。また、アメリカ大陸、アフリカ、アジア太平洋の島に行く機会がある場合は注意が必要だ。

 

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